振り出しに戻りイサキでの出船・・・派手さはないが心遣い気遣いの利く、酌する姿にほんのり色気の感じる行き付けの小料理屋の女将・・・そう男のスケベ心をすっかり見透かされて痒い所に手の届く（痒くない所にも手が届いて欲しいが・・・）・・・そんなすっかり気を許してしまうようなイサキ・・・この安心出来るイサキ釣りが続いてくれれば良いが・・・男が船なら女は港っとね・・・

かつてない６月の大不況を御先祖様が見かねてお力添えしてくれたのか？珍しくも平日に午後からキントキ五目へと出船となった・・・前日から引き続き潮が速いと承知はしていたが、当たって砕けろの玉砕精神で南へ・・・現場到着したが！？ＷＯＷ！！潮が流れないではないか！潮が澄んでいて状況は良いとは言えないが、潮が流れぬ好況を逃すまいとキントキ探索の旅とした・・・第１ポイントで早速キントキにカサゴとメダイが顔出し・・・まずは魚釣りになった事に感謝・・・その後も丹念に南へポイント移動していき根魚が熱くなるのを待ったが、微熱程度の体の火照りのなか船中でキントキ２３、カサゴ８、鬼カサゴ２、メダイ２、アカイサキ２、マハタ１、黒メバル１、マトウダイ１で納竿に・・・

ここ２日間の反省から南に別れを告げ、濃霧をかき分けいざ北へと船を走らせたが・・・

わたし馬鹿よね～お馬鹿さんよね～後ろ指後ろ指さされても・・・日本レコード大賞の最優秀新人賞を獲得したと思うが、細川たかしの「心のこり」の歌い出し・・・今日もあたしゃあ南に出向いて速い潮に追い回されて、流れ流れて大原北の果てまで・・・ようやく出船という形であっても、家で仕事の無い厄介者ならば沖で心晴れやかにリフレッシュ・・・何て呑気な気持ちが災いしたか？利かぬコマセに伝わらぬ思い・・・大海原を駆け抜けても飛び抜けぬ釣果にて帰港に・・・

荒天休業と定休日を含めた３連休明けの成れの果てがイサキ花魁の恥心・・・唇だけは許せませぬ・・・ここにいるよと主張しながらも、あなたにだけはと鉄のカーテン・・・イサキが口を閉ざせば船頭も口閉ざし御客様は心閉ざす・・・イサキの恥心は皆の苦心を誘うなり・・・釣れて当たり前が釣れなきゃ何だ手前となる・・・何で？何だよ！何やってんだよ！御客様のやり場のない気持ちは、時の経過と相乗効果を生む・・・残念ながら自然界には逆らえぬ・・・こんな時こんな日もある・・・いつか光差し込む日を信じて・・・

風は南から・・・そんなアルバムタイトルを聞いた事もあるが・・・今や南風は黒潮の申し子・・・余計で失敬なドギツイ潮を運んで来る・・・今日においても南の微風吹くなか潮は如何に・・・朝イチこそ出しゃばらぬ潮であったが、時を追うごとに俺だ俺だの一点張り・・・そんな差し迫った状況を打破すべく、潮に追われぬ北へと活路を求めたが・・・

え～今日はイサキって事でして節操がないと言われればそれまでで、あくまで御客様のリクエストにお応えする事が我が使命であると・・・何せ６月に入ってまだ３日目の出船でありまして、イサキ釣りにおいては６月初出であると・・・からして状況何ぞ訳分からなぬと・・・って事で５月まで贔屓にしていたポイントからスタートさせてみた・・・

荒天２連休となりまして（先日は上田氏と佐藤氏には大変申し訳ありませんでしたが・・・）水無月に入り何と２日目の出船・・・６月だと言うのに北東の強風ってのもおかしなものですが、しかし我が船宿にはイサキの御客様が来ませんな・・・来る所には来てるんですから、初栄丸なんぞ御客様の眼中にないんでしょうなぁ・・・まあ嘆いたところで、御客様からイサキ釣りに乗せろの矢の催促はありえませんからね・・・虚しくなりますからこの辺で・・・さてキントキ五目という事ですがね・・・ほんの３日前にどえらい目に遭いましたからね・・・いや（御客様を）遭わせてしまいましたからね・・・どう見たって大きくは出られやしませんよ・・・ただ唯一の救いは前回のような速い潮は皆無ってこと・・・敢えて前回同様のコースを辿ってみた・・・京都にいるときゃ忍と呼ばれたが～神戸じゃ渚と呼ばれたの・・・「昔の名前で出ています」と来たもんだ・・・前回カスリもしなかったポイントでも、多くはないがキントキの型が出るじゃないの・・・敢えて同じ道をなぞるって事で、前回乗船して下さった御客様の私に対する疑心暗鬼は晴れた（？）訳だが・・・まあ万事順調とは行かず、その他にはマハタ１、鬼カサゴ１、サバ８が交ったのみで納竿に・・・

しかしたまげたもんでございまして、大原港の意味なし・脳なし・未来なし５連休明けで、いざ大海へ・・・と思われたが、悲しいかな他船が札束で左手団扇で含み笑いをしている時に３連休となり、貧乏人への見覚えのない追徴課税的な８連休明けでの出船・・・おお神よ何故あなたはそうまでして私を苦しめるのですか？神は民に超えられぬ試練は与えぬのだ・・・ですが・・・しかし・・・言い訳はよすのだ・・・全てはお前の気持ちひとつなのだ・・・そうなのだ、こうして今日大海に出でれたのも貴重な財産を切り崩しお越し下さった御客様のお陰・・・何より根魚釣りで良かったと、御客様の思い出貯金に投資できれば・・・さあ５月３０日以来の根魚五目という事で、取り敢えずお得意さん巡り・・・おやどうしたものか？居留守？蒸発？転出？これまでの一番の御得意さんに、まさかのＮｏ　ｔｈａｎｋ　ｙｏｕ・・・喪失感は計り知れなかったが、気を取り直してお得意さん巡り再開・・・？？？何という事だシャッター商店街化してしまっているではないか！キントキでもひとつ・・・だなんて悠長な事を言ってられやしない緊急事態・・・魚そのものが釣れないのだ・・・潮流の方向と速さがやりずらかったのは事実だが、それを考慮しても釣れなすぎる・・・首は斜め４５度の状態から脱する事ないまま、嫌な汗が出始めた頃ようやくキントキ、アカイサキ、カサゴがお目見え・・・その後も厳しい状況は続き、ワンポイントで魚の型が出れば良い方で、１円玉貯金をしているような状況に屈しナザへ・・・水温１６．４℃潮流速し魚信なし・・・再び沖へ・・・水温１９．６℃と上昇しており潮流も朝イチより遥かに速い・・・はい気が付いてしまいました・・・袋小路にハマってしまったと・・・御客様の思い出貯金通帳解約・・・結局のところ船中でキントキ５、カサゴ５、アカイサキ４、オニカサゴ１という根魚釣り地獄の黙示録状態に・・・

昼間のパパはちょっと違う～かつてＣＭで忌野清志郎が歌ってましたが、夜のパパは別の意味でもっと違うとチクリ・・・さてキントキ五目はずっと午後からでしたから、午前からのリクエストにどのようにお応えできるのか？午前からの方が根魚も御機嫌麗しいのか？まあ余計な心配は置いておいて落ち着きを取り戻した南へ・・・１ポイント目から早速キントキのお目見え・・・ほっと一息・・・おいおい一息はないだろとお思いでしょうが、これが実に厳しいものでして魚が上がった・・・この現実を真摯に受け止め、感謝の気持ちで大海に手を合わせるのです・・・その後もポイントを渡りながら、全員が一斉に巻くなんてのはたったの一度もありませんでしたが、キントキは皆さん手にする事が出来まして、アカイサキ２、マハタ２、黒メバル２、サバ２、カサゴ１、鬼カサゴ１という細やかなゲストが登場し閉幕に・・・

これきり逢えない　別れじゃないよ・・・死にたいなんて　なぜ云うの・・・遠く離れて暮らしても・・・ただひとすじに　愛しているよ・・・君がすべてさ　君がすべてさ・・・「君がすべてさ」千昌夫が歌ってましたっけね・・・まさしく我々のイサキに対する気持ちそのものですな・・・

きつい上り坂を上がったからこそ頂から見る景色は美しく、悲しみを知っているからこそ喜びの意味を知る・・・前日の幼子のようなイサキ不貞腐れは何であったのか？溢れるイサキの反応に溢れる御客様の笑顔・・・こうでなくっちゃいけないよイサキ釣りは・・・御客様の心の声が聞かれるようでして・・・掴み取った反応に思い通りの食いっぷり・・・人と魚の相思相愛の関係とは美しいじゃあ～りませんか！あたしのようなブ男はカミさんがいたってだけで、相思相愛何ぞ人生において経験がありませんからね・・・熱い想いと願いは大海に求むっとね・・・いや大海にしか求められないと・・・

有難くも連日の午後船キントキ五目での出船となりました・・・しかしながら前日のように神と悪魔が喧嘩しているような大海では、興醒めしてししまうようなもの・・・一刻も早く大海の状況を探るべく行き付けの南へ・・・はい出ました！昨日までの怒り狂った潮流は何処へ？ほぼ潮は流れず潮方も上々・・・にも関わらずお魚ちゃんは不機嫌なのか？居留守なのか？本当は居ないのか？行く先々で冷笑状態・・・このままでは、あたしが御客様に嘲笑されてしまうではないか・・・えっ！？とっくに笑い者にしてる？それは失礼だがな・・・オイラは正直に釣果を出してるだけなんや！水増しやデタラメもない・・・だからお前は上に行けんのじゃ？・・・まあ見とき・・・船方の似非画家は腹黒いと見破られとるで・・・評価は他人がするもの・・・自分で凄い言うものは大概胡散臭いものやね・・・知られてないと思うてるのはあんただけや・・・みんな知っとるけど言わないだけや・・・どこの世界に行っても知らないふりが一番良いっとね・・・そうさ勧善懲悪・・・

何という事でしょう・・・一昨日までのイサキ上機嫌から突然の超不機嫌の事態に・・・前日に臨休であった我には先輩船頭から事態の急変は聞かされていたが、ここまで極端になり得るものかと自然界の気紛れさを実感した次第であります・・・おまけに本日は異常な濃霧に包まれていて周辺状況を逐次確認しながらの操業でして、それは神経が磨り減るもの・・・レーダーと魚探を睨めっこ・・・これまでの贔屓ポイントのほぼすべてにフイにされ、行く先見えぬ座頭市操業となったが・・・

さあどうしたものか？３週連続の土曜日午前客なし臨休・・・しかし慈愛に満ちた御客様あり、これまた３週連続の午後キントキ五目出船に・・・午前船に出船していた先輩船頭によると、潮は速く二枚潮であったとのこと・・・しかし逃げ場はない・・・南へ船を走らせた・・・ポイント到着遥か前からの船速の減速ぶりに、潮流の速さは変わらぬものと覚悟・・・そしてポイント到着・・・やはり潮流は速くどえらい二枚潮・・・当然ながらオマツリに次ぐオマツリと根がかり連発・・・それでも挫けず仕掛けを投入し続ける御客様に背中を押され、ポイントを次々と渡って行ったのだ・・・だが・・・やっぱり我々は大自然の摂理には逆らう事は出来ぬのだ・・・５時間ほどの操業で獲た手柄はキントキ３、マハタ３、カサゴ６という惨敗であった・・・