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2020年2月16日:イワシ様=ヒラメ様=御客様…大海の三様分立成立か?
雨だ風だの1週間前からの、気象庁による自然災害回避の啓蒙活動…予めの事柄は大自然をも臆病にさせ、風なきベタ凪ぎ操業となった…誰を責められよう…我々は今そこにある現実を受け止めるほかない…そんななかにあっても,足を運んで下さる御客様に全てを委ねるしかない…9本という貸竿を前に、私は前日から沖出しを諦め、ナザでの一発勝負に賭けていた…と言うより賭けるしかなかった…そして出港…イワシ様集団発情の報せはなかったが、私には道は一つであった…恋愛成就出来ぬ者のように、恋の片道切符を握り締めたままで…そんな破れてしまいそうな心に、捨てる神とも拾う神とも知れぬイワシ様降臨…澄んでいる潮を前にのっけ勝負の予感…だが後戻り出来ぬ一本道…我々をけしかけているのか?誘っているのか?時間を待って、言い知れぬイワシ様に向け仕掛け投入…!?何と開始10分ほどで11枚のヒラメが船上に…まさしく息をも付かせぬ入れ食い状態であった…イワシ様の手厚い誘いに、飢餓状態のヒラメ…1+1が2にならぬ自然界において、稀に見る相乗効果..サスペンスドラマでいう、刑事が容疑者を追い込んだ断崖絶壁…もう後戻りはない、この先はないあなた任せのイワシ様と心中操業…そんな心中を察するほど自然界は甘くはないが、前日とは打って変わり我々とイワシ様は主従関係・・・イワシ様行くところ我々のお勤めとし、久方ぶりにナザでのイワシ様ありきの熱きヒラメ釣りを堪能したのであった…これだから海は分からない…。